2025/05/20 22:30


見慣れぬ姿に、「これは何だろう」と自然と足が止まってしまう"形"。

農具や漁具といった道具は、「使いやすさ」「耐久性」「効率」といった実用性を徹底して追求してつくられています。そのため過剰な装飾はなく、すべてが目的に忠実な形に収まっています。


素材には木や鉄、麻縄、竹などの自然素材が用いられ、必要最低限の加工によってそのかたちが整えられます。だからこそ、木の自然なカーブや表面のざらつきといった痕跡が残り、工業製品にはない独特の風合いが生まれているのだと思います。


こうした道具の中には、美しさを目指してつくられたわけではないのに、自然のかたちと人の手仕事が絶妙なバランスで重なり合い、機能美や用の美とはまた少し異なる、他にはない独自の美しさが立ち現れてくるものがあります。


知った上でもなお面白い。