2025/05/30 23:35


錆びた金属や無骨な構造には、工業製品ならではの機能美が宿っています。装飾がなくても、目的に沿ってつくられたかたちは、それだけで不思議な魅力を放ちます。


使うことだけを考えて設計された構造や素材は、余計なものがなく、むしろそのシンプルさが力強く、洗練された印象を与えます。

そこに残る錆やすり減った跡からは、単なる古さではなく、長い時間を過ごしてきた「ものの履歴」がにじみ出ているように感じられます。


そのような工業的なパーツをKATSUYOSHI KAMEDAが再構成した作品の一つです。

鋳鉄のしっかりとした台座と、整然と並んだ金属片がつくり出す構造は、静かに佇んでいながらもどこか「動き」があり、見る人の想像をくすぐります。


機能がかたちになり、かたちが美しさをまとい――それが作家の手で、また違った魅力として立ち上がっています。