2025/07/24 00:19

インテリアの世界では「余白」や「静けさ」がひとつのキーワードになっています。
無駄を削ぎ落としたミニマルな空間。
素材の質感が際立つインダストリアルな空間。
それらは、美しく洗練されています。
そんな“整いすぎた空間”にこそ、あえてアンティーク要素を持ち込むことで、より空間が深まるように思います。
役割を終えた古民具やそれらを再構成したオブジェ。
古びた木材の質感。どこか謎めいた構造。
整った空間に対して、それはちょうどよい“ノイズ”として作用します。
まるで風景にひとつだけ揺らぎを加えるように、
静かで、それでいて強い個性を放つ存在。
「何かわからないけれど、ずっと目に入ってくる」そんな魅力です。
「整っている空間」では、視線も心も予定調和の中にとどまってしまいがちです。
そこに“解釈の余白”を持ったオブジェが加わることで、空間に深度と揺らぎが生まれるように思います。
それは、静かな違和感として空間全体を活性化させ、記憶や感情と接続する
“装飾以上の役割”を果たしてくれます。